皆さんこんにちは!25年9月のポーランド旅行3日目は、今回の旅行の大きな目的の一つであるアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所(以下アウシュヴィッツ博物館)を訪れました。
今回の記事では、
- アウシュヴィッツ博物館までのアクセス
- 現地英語ツアーの申し込み方
- 現地英語ツアーの実際の様子
をお伝えします。ツアーに申し込まずに、自力でアウシュヴィッツに行こうと考えている方はぜひご覧ください!
アウシュヴィッツ強制収容所が何の目的で建設され、そこでナチスがどんな行為を行ったかについては、私からではなく映画や本を読んで勉強した方が良いと思うので、ここでは割愛します。私は前日とアウシュヴィッツに行く途中のバスの中で「シンドラーのリスト」を読んで勉強しました。
- 1.アウシュヴィッツ博物館までのアクセス
- 2.現地英語ツアーの申し込み方
- 2.1.予約ページ
- 2.2.ステップごとの予約手順
- ① メニューから「Visiting」→「Reservation」を選択
- ② 「Select the type of the visit」のページが表示される
- ③ 「Visit for individuals」を選択
- ④ 「Choose the date」で希望の訪問日を選択
- ⑤ 表示されたツアー一覧から希望の言語を選択
- ⑥ 以下に該当しない場合は「Guided service for individuals for guided tours +GTS」を選択
- ⑦ ログイン画面が表示されたら「Buy without Signing Up」を選択
- ⑧ 購入に必要な情報を入力
- ⑨ 「Donate(寄付)」ページが表示される
- ⑩ 支払い画面でクレジットカード情報を入力し、購入完了
- 注意事項
- 3.現地英語ツアーの行程・感想
1.アウシュヴィッツ博物館までのアクセス
アウシュヴィッツ博物館はクラクフから60,70kmほど離れたoświęcim(オフィシエンチム)という街にあります。
クラクフからの博物館までの行き方は大きく2通り。
- クラクフ中央駅側のバスターミナルから直通バスで1時間25分
- クラクフ中央駅から電車で1時間オフィシエンチム駅まで行き、バスに乗り換えるか徒歩
今回は行きは1.、帰りは2.で行きました。
料金は1.が22Zt、2.は16.5Ztでした。
①の方が博物館まで乗り換え無しで行ける分楽ですが、今回は電車も体験したかった・カジミエシュ地区に帰りに寄りたかったという理由で、帰りは②の電車を選択しました。
行きのバスはクラクフ駅そばのバスターミナルから出発。チケットはバスターミナル内のチケット売り場もしくは運転手から購入することが出来ます。


バスはほぼ満席だったので、出発時間よりも早めに行った方がよさそうです。
私は7:40発のバスに乗車、定刻通り9:05に到着しました。普通の高速バスと同様の座席で、快適な乗車でした。
帰りはオフィシエンチム駅までビルケナウ博物館から25-30分ほど歩き、そこから電車に乗ってクラクフに戻りました。ツアーでもかなり歩くので、アウシュヴィッツ博物館まで無料バスで戻り、そこから路線バスに乗り換えて駅に向かう方が楽かもしれません。
2.現地英語ツアーの申し込み方
現地英語ツアーは、事前にウェブで予約しておくのがおすすめです。
特に英語のツアーは人気なので、売り切れてしまうことも多いのだとか。
私も旅行の3週間ほど前にウェブで予約してから行きました。
2.1.予約ページ
以下の公式サイトでツアーを予約できます。(英語)↓
アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館公式サイト
2.2.ステップごとの予約手順
① メニューから「Visiting」→「Reservation」を選択
トップページ上部のメニューから「Visiting」をクリックし、「Reservation(予約)」を選びます。
② 「Select the type of the visit」のページが表示される
訪問タイプを選ぶ画面が表示されます。
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③ 「Visit for individuals」を選択
個人で訪問する場合はこの項目を選び、「Next」で進みます。
④ 「Choose the date」で希望の訪問日を選択
カレンダーが表示されるので、希望する日付をクリック。
※グレーアウトされている日は予約不可(満席または休館日)
⑤ 表示されたツアー一覧から希望の言語を選択
「Language」欄で希望するガイド言語を選びます。
(英語、ポーランド語、スペイン語、フランス語等から選択)
⑥ 以下に該当しない場合は「Guided service for individuals for guided tours +GTS」を選択
以下に該当しない限り、通常は「Guided service for individuals for guided tours +GTS」を選択します。
該当する場合は、通常PLN130のところ、PLN120の割引価格が適用されます。
(要証明書)
- 26歳未満の学生
- 75歳以上の方
- 障がい者手帳保持者
- 第二次世界大戦の反ヒトラー連合軍・ウクライナ軍の退役軍人
- 国立博物館職員証・ICOM会員証保持者
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⑦ ログイン画面が表示されたら「Buy without Signing Up」を選択
アカウント登録せずに購入可能です。
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⑧ 購入に必要な情報を入力
氏名、メールアドレス、電話番号などを入力。 チェックボックスで個人情報の取り扱いと利用規約に同意。
⑨ 「Donate(寄付)」ページが表示される
任意で寄付金額を選択。寄付しない場合は「0」を選んでもOK。
最低10Zt(EUR3)から寄付可能。
⑩ 支払い画面でクレジットカード情報を入力し、購入完了
支払いが完了すると、登録したメールアドレスにチケットが届きます。
注意事項
- 訪問当日はパスポートなどの本人確認書類が必要
- 予約は訪問日の90日前から可能
- 予約後の変更・キャンセルは不可
- 30分前には現地到着を推奨
3.現地英語ツアーの行程・感想
3.1.ツアーの行程
それでは、事前に予約しておいた3時間半の英語ツアーに参加した際の行程を紹介します。
アウシュヴィッツ強制収容所はアウシュビッツ第1強制収容所、アウシュビッツ第2強制収容所(ビルケナウ)、およびアウシュビッツ第3強制収容所(モノヴィッツ)の3つの大規模な強制収容所で構成されており、ツアーではそのうち第1強制収容所とビルケナウを見学することができます。
3時間半のツアーの行程は以下の通り。
- アウシュヴィッツ第1強制収容所を見学(2時間)
- アウシュヴィッツからビルケナウに無料の巡回バスで移動、10分休憩
- ビルケナウを見学(1時間)
私は10時からのツアーに申し込んでいたため、9:05にバスで到着してからしばらく博物館の入り口前で待機しました。
博物館の前にはいくつかベンチがあり、座って待つことが出来ます。

ツアー開始15分前に受付開始、荷物検査や受付を通過後10:00ぴったりにツアー開始です。英語がある程度分かればツアー開始までの流れで迷うことはないと思います。予約した時間ぴったりにツアーが始まるので、遅れないように早めに行く必要があります。
3.1.1アウシュヴィッツ博物館の見学
アウシュヴィッツ強制収容所ではまず最初に8分間の映像を見た後、各バラックの中でアウシュヴィッツ強制収容所の概略や収容者の持ち物などの展示を見学しました。
訪れた日の天気は雲一つない快晴。展示の重い内容とはかなりアンバランスで、ホロコーストが現実にあったとは信じられない、そんな感覚に襲われました。


しかし、建物の中で収容者の持ち物の展示を見たり、実際の毒ガス室や焼却炉を見学したりする中で本当にここで難百万人という人が命を奪われたのだ、その事実を実感しました。
収容者の写真の展示では、写真と合わせて収容された日・亡くなった日の記載がありました。ほとんどの方が収容されてから1ヶ月以内や1ヶ月ほどで亡くなっていました。収容者が増加した1943年以降は収容時に写真すら撮られなくなり、代わりに体に彫られた番号で管理されたそうです。
収容者が持ち込んだ無数のカバンの展示では、カバンに収容者の方の名前や番号が書かれていました。いずれ返還される、そう信じて預けた持ち物が実際には没収され、ガス室送りにされたり、強制労働を行わされたりしたのです。
屋内の展示は衝撃的な物が多く、写真で伝えるのが憚られるような内容だと感じたため写真掲載を控えます。
読者の皆様にも実際に目で見て考えてほしいと思います。

3.1.2 ビルケナウの見学
続いて無料のバスでビルケナウ(第二収容所)に移動。10分ほどトイレ休憩を挟み、1時間ほど見学しました。
ビルケナウは第一強制収容所から約2キロ離れたところにあります。
ガス室での殺戮を目的にした絶滅収容所として1941年に新たに設置され、10 万人規模の収容力をもつ、第一収容所よりも格段に規模の大きな強制収容所です。
ビルケナウはとても広く、ツアーでは日差しを遮るものが何もない中を2kmほど歩くため、夏場は水の用意など、ある程度の準備が必要だと感じました。


ビルケナウで最も印象に残った箇所は上の写真に写っている線路の脇。貨車で連れてこられたユダヤ人等は、下ろされてすぐに「死の選別」を受けたそうです。
ツアーガイドの方の話で最も印象に残った言葉。
「アウシュヴィッツに送られた人のほとんど(80%)は、到着してすぐにガス室に送られるため、ツアー(所要3時間半)の参加者よりも滞在時間が短い。」
ガス室送りかどうかを決めるのは、ドイツ軍の担当者の一瞬の判断だったそうです。指で右左を差して生死を決める列を分ける、このSelectionを行う判断基準はなんと見た目だけ。働けそうかどうかを一瞬で判断して生死が決まっていたといいます。
ビルケナウでは広大な敷地内にある収容者が暮らしていたバラック内部を見学しました。入ってみて、まずその暗さに驚きました。その日は快晴だったのにもかかわらず、窓が少ないせいで光がほとんど届かないのです。写真の一つの区画には7人で寝ていたそうです。(7人×3段で21人)

下のバラックは煉瓦造りで頑丈そうですが、これは初期に建てられた丈夫な方。収容者が増加するにつれて木製のバラックとなり、木製のバラックは今はもう残っていません。暖炉の跡がわずかに残るだけです。

3.2.現地英語ツアーの感想
ツアーガイドの方の解説は、ある程度英語がわかる方であれば7割程度は理解できると思います。ツアーガイドの方と距離が離れてしまっても、イヤホンを通してガイドの方の声は聞こえるため、リスニングも容易です。
見学を終えて、命の軽さ・重さについて、改めて強く考えずにはいられませんでした。
罪のない人々が軽々しく命を奪われるようなことがあってはならないと再認識する機会、
普段平和を希求する思いをより強いものにする機会、
それを得られるのがアウシュヴィッツの見学でした。
読者の皆様にも、是非一度は訪れてほしい場所です。
それではまた、次の旅行記でお会いしましょう。



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